福井大学医学部

外科学(2)

研究内容紹介

主要研究テーマ

[心臓血管外科]

1. 低侵襲手術:心臓血管外科手術は低侵襲化が進み、傷が小さい、心臓を止めない、人工心肺を使用しない手術が普及している。低侵襲手術を行い、いかにして従来の手術よりも遠隔成績を落とさずに手術を施行するかを研究テーマとしている(福井伸哉)。
2. 大動脈瘤発生機序:酸化ストレスと大動脈瘤の関連(田邉佐和香)
3. 血小板由来内皮細胞成長因子の抗動脈硬化作用を用いた小口径人工血管開存性向上の研究(高森督)

[呼吸器外科]胸腺腫の温熱療法の効果の研究

胸腺腫は低悪性度で緩徐に育つ腫瘍である。外科的切除が基本であるが、時に進行例では胸膜播種を来たし治療に難渋することがある。このような症例に対して、当科では局所的切除術に加えて、臨床試験で温熱灌流化学療法を加えて予後改善に寄与しないか検討中である。
一般的に、播種性小結節(左図)の肉眼の完全切除を受けた患者には、残存腫瘍のある患者より予後が良好と言われている。しかしながら、完全切除によるIVA期の症例においては、補助化学療法、補助放射線療法の有効性は証明されていない。一方、Heat shock protein 90(HSP90)は細胞内分子シャペロンの1つで、蛋白の適切な折りたたみや輸送などに関与し、癌細胞の増殖や生存の促進に重要な役割を果たすことが知られている。そのHeat shock protein 90 inhibitorは、分子標的薬としての治療薬として、非小細胞肺癌をはじめ、乳癌、前立腺癌、膵癌、結腸直腸癌、胃癌、小細胞肺癌などの幅広い癌腫に対し、臨床試験が進められている。ヒト胸腺腫組織を使って、温熱療法において抗がん剤にさらにHeat shock protein 90 inhibitorを加えた場合の相乗効果の有無を検討している。

外科学(2)研究室

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