福井大学医学部

内科学(2)

診療内容(消化器)

科長  中本 安成  副科長  松田 秀岳
医局長 井川 正道  外来医長 内藤 達志  病棟医長 松田 秀岳

早期食道癌・胃癌・大腸癌の内視鏡治療(ESD、EMR)、膵癌・胆道癌による閉塞性黄疸の内視鏡的ドレナージ、ESTによる総胆管結石採石術、胃食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法・結紮術、上部・下部消化管出血に対する止血術などの内視鏡治療全般を行っています。また、消化器癌に対する各種化学療法、MALTリンパ腫に対するヘリコバクターピロリ除菌治療や放射線療法、炎症性腸疾患においては潰瘍性大腸炎、クローン病に対する抗TNFα抗体療法などを積極的に行っています。内視鏡診療ではEUS-FNAシステム、カプセル内視鏡、ダブルバルーン小腸内視鏡などの最新機器を導入し、質の高い消化器内視鏡診療を展開しています。肝臓領域では肝・胆道系悪性腫瘍、ウイルス性肝疾患(慢性肝炎・肝硬変)、アルコール性肝障害、脂肪肝、NASH、自己免疫性肝炎、薬物性肝障害等を扱っています。C型肝炎に対するIFN療法やB型肝炎に対する抗ウィルス療法も積極的に行っており、肝臓癌に対してはTACEやRFA・PEITに加えて肝動注化学療法を取り入れ、良好な成績を得ています。また、肝臓癌に対するTAEと樹状細胞免疫治療の先進医療を目指した臨床試験を開始し、消化器癌に対する新たな治療法の開発に挑戦しております。最後に当科では胃発癌の原因とされるヘリコバクターピロリ感染の診断および除菌治療に関する専門外来である「ピロリ外来」を開設担当し、二次除菌治療失敗症例に対する三次除菌治療などあらゆる症例に対応しております。

【主な検査・処置・医療機器】
・造影超音波検査
・エコーガイド下肝生検/腫瘍生検
・RFA(ラジオ波焼灼療法)
・PEIT(エタノール注入療法)
・腹腔鏡検査
・ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)
・EUS-FNA(超音波内視鏡下針吸引生検術)
・カプセル内視鏡
・ダブルバルーン小腸内視鏡
・内視鏡的膵のう胞ドレナージ術
・EBD(内視鏡的胆道ドレナージ術)
・EIS・EVL(内視鏡的胃食道静脈瘤硬化療法・結紮術)など

2021年度消化器内科診療について

2020年度と同様に、2021年度もCOVID-19による診療制限の影響を受けましたが、入院患者総数は1,380人、年間を通じた病床稼働率(定数36床)も123.1%2020年度同様の高水準を維持できました。各主治医が毎日、予定の検査・治療に加えて個々の研究活動を継続しながらも、入院患者の35.3%487人)を占める緊急入院に対して迅速かつ的確に対応し、平均在院日数は2020年度より短い10.8日となりました。剖検数は8件(剖検率:32.0%)と院内全体(17件、剖検率:8.0%)の約半数(47.1%)を占め、内科系全体(12件、同:13.4%)の66.7%を占めていました。多忙な中でも真摯に症例と向き合い、最後まで患者さんから学び取ろうとする主治医の謙虚な姿勢が高い剖検率に反映されたものと考えられます。

2021年度の外来診療の実績は、年間外来患者数と一日平均患者数(年間平均)はそれぞれ14,494人と69.0人で、2020年度と同程度でした。年間紹介患者数は549人で、2021年度も県内外の先生方から多くの患者様をご紹介いただきました。外来担当医は例年どおり臓器別に、肝疾患は中本教授、松田講師、野阪助教、上部消化管疾患は松田講師と髙橋助教、小腸・大腸疾患は平松准教授と内藤助教、胆・膵疾患は大谷講師と大藤助教が担当しました。また2017年度より導入した初診外来制も定着し、外来での待ち時間短縮や、他科入院中の症例に対する迅速な対応に役立っています。2021年度の初診外来は田中先生、菅田先生、村田先生、翠先生の4名が担当しました。各部署と連携し、コロナ禍における外来や光学医療診療部での医療安全確保にも日々取り組んでいます。

大学病院として、来院される皆様の不安を取り除き、患者さんをご紹介いただく医療機関の先生方のご要望に応えられますよう、引き続きハイレベルな診療を実践してまいります。

2021年度入院患者延数(主病名による分類) ———————– 1380名

検査・治療件数(2021.4-2022.3)

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