“地域の医師は、地域が育て、地域が守る”住民―行政―医療者が三位一体となり医学教育・住民啓発に取り組み、一歩先行く地域医療を展開する、全国初の市町村単独医学部寄附講座
研究室紹介
福井県高浜町の紹介
高浜町は福井県の最西端に位置し、若狭湾国定公園に指定される美しい海と山々に囲まれ、豊かな歴史・文化を育んできた町です。産業面では、従来から観光業の振興や原子力発電所の立地等に取り組んできました。医療面では、社会保険高浜病院を中心に、病院と国保・個人の診療所で町の医療を長年支えてきました。
講座設置経緯・沿革
近年全国的に問題になっている医療崩壊は高浜にも例外なく訪れ、医師の数は減少一途にありました。そんな中、高浜町国民健康保険和田診療所が医学教育を主力においたところ、若い医師が集い始めました。町はそこに着目し、平成19年、「高浜町地域医療基本構想」を委員会の提言として発表しました。平成20年8月、高浜町の医療システムの再構築を目指して、地域医療ワーキンググループが設置されました。そこで、「高浜町地域医療基本構想」をもとに、高浜町の現状に即した地域医療再生に向けてのアクション・プランが次の通り提言されました。
- 医師を育てるための仕組みづくり
- 高浜病院の安定的な経営のための仕組みづくり
- 和田診療所の支援強化
- 「保健」・「福祉」分野の強化や連携
- 町民への地域医療に対する理解の浸透
ワーキンググループの中で、前述したプランの実現を支援するため、福井大学医学部に町の寄附講座を設ける案が提出されました。町長はじめ行政、高浜町議会の迅速な決断もあり、平成21年3月、ここに全国初となる市町村による医学部寄附講座「地域プライマリケア講座」が誕生しました。
講座の役割・使命
高浜町から福井大学医学部への寄附をもとに、アクション・プランを実現すべく町内の医療系スタッフと共働し、町と大学との連携をより密にしながら、診療(外来診療をはじめ救急診療、在宅医療、健康相談も)、教育(医学生・研修医教育だけでなく町民の皆様への啓蒙活動も)、研究(医療システムの研究や健康動態の調査)を行っていきます。