福井大学医学部

脳神経外科学

診療内容紹介

1. 救急部と救急体制

北米型救急システムを導入した経験豊富で充実した救急部のスタッフとともに、我々脳外科医も救急室から診療を開始しております。夜間、休日を問わず、緊急手術が必要なときでも24時間迅速に対応する準備ができています。また、重症の脳脊髄疾患に対しては、集中治療室(ICU)において、最新のモニターリングシステムを駆使し、徹底した全身管理を行い、専門各科と密に連携して、集中治療を安全に行っています。

2. 専門外来

脳腫瘍、血管内治療、神経内視鏡、脊髄末梢神経、もやもや病などについて専門外来を設け、豊富な経験を持つ専門スタッフが外来診療を行っています。治療が難しいとされる脳動静脈奇形(脳AVM)や頭蓋底・脳幹腫瘍に対して特に力を入れています。

3. 高度な手術設備・環境

3-1. 術中蛍光血管撮影装置

最新の手術顕微鏡が2台が配備されており、インドシアニングリーン(ICG)を用いた術中蛍光血管撮影を行うことができます。これにより脳血管手術を安全、確実に施行できます。

蛍光視野 バイパス血管の血流が確認できる

顕微鏡視野

 

 

3-2. 術中CT

3次元CTやCT血管撮影も可能な術中CTがあります。24時間使用可能で緊急手術にも対応しています。1997年に企業との共同開発で全国に先駆けて導入され、2014年に実施症例が1000例を超えました。2014年9月の病棟新築、手術部移転に伴い最新の術中CTが導入され、さらに多くの手術で活躍しています。これは世界有数の使用実績です。

3-3. ハイブリッド手術室

2014年9月の手術部移転に伴い、ハイブリッド手術室が稼働しました。ハイブリッド手術室とは、通常の手術室と放射線透視装置の統合を指します。外科治療はますます低侵襲へ、血管内治療はますます多様化・高度化しております。これらのニーズに応えるべく、病状に応じて患者さんに最適なテーラーメイド医療が提供できると考えています。

3-4. 術中電気生理学的モニタリング

MEP(運動)、SEP(感覚)、VEP(視覚)、ABR(聴覚)といった特殊な脳波を測定したり、顔面神経やのどの神経を刺激しながら手術を行います。これにより、手術中に神経機能が障害されていないかモニタリングできます。

3-5. 5-ALAによる腫瘍蛍光標識

境界の分かりにくい悪性脳腫瘍の手術では腫瘍と正常脳を見極めるために、特殊な色素5-ALAを用いています。手術時に特殊な光を当てることで腫瘍を光らせることができ、肉眼では見にくい部分の腫瘍を取り除くことが可能です。

蛍光視野:腫瘍が赤く光って見える

3-6. 神経内視鏡による経鼻的下垂体腫瘍手術

下垂体腫瘍に対して、神経内視鏡を用いた鼻からの手術を行っております。低侵襲で安全確実な治療が可能で、福井県内の多くの病院からご紹介頂いております。

4.治療までの流れ

  1. 緊急の場合を除き、治療前に一度検査入院を行い病気についてよく調べます。
  2. 治療法は一医師の意見でなく、カンファレンスにおいてスタッフ全員で検討し、患者さんに最も適した治療法を選択します。
  3. 手術により根治(完全に治る)ができる場合は手術をお勧めします。
  4. 高齢やその他の理由で手術合併症や後遺症の危険が高い場合、代替手段をお勧めします
  5. 緊急の病名、放置したときの経過、治療法の種類、その副作用につき十分説明いたします。
  6. 治療する場合は術前カンファレンスで十分に検討して計画を立て、最新鋭の補助診断装置を用いて行い、可能な限り後遺症を出さないよう努めます。

脳神経外科学研究室

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