福井大学医学部

腎臓病態内科学(臨床検査医学)

教授挨拶

福井県を日本一腎不全患者が少ない医療圏に!

腎臓病態内科学・教授   岩野 正之

平成23年9月1日、福井大学医学部病態制御医学講座腎臓病態内科学領域教授に就任致しました。私は、昭和62年に奈良県立医科大学を卒業後、大阪大学細胞工学センター、ペンシルバニア大学およびバンダービルト大学での国内外留学期間を除き、奈良県立医科大学で約20年間にわたり腎臓内科医として診療・教育・研究に従事してまいりました。福井大学医学部附属病院には、今回初めて来させていただいたのですが、余りにも自然が豊かであるのに驚いております。生まれは大阪府豊中市ですが、両親が北陸出身であり、特に母親は鯖江出身でしたので、高校生になるまでは夏休み毎に鯖江に遊びに来ておりました。そういう訳で、福井県は私にとって第2の故郷のように馴染み深いところであり、今回の就任にも不思議な縁を感じております。

奈良県では、腎臓専門医と透析専門医が比較的多く(腎臓専門医数43人、透析専門医70人)、しばしば透析患者の奪い合いが問題になっておりましたが、福井県には腎臓専門医と透析専門医が極めて少なく(腎臓専門医数25人、透析専門医19人)、透析難民が発生しています。所変われば医療の現状も異なるであろうと予測してはいたものの、これ程までとは思っておりませんでした。専門医数を倍増させることで、透析患者さんが安心して生活できる医療圏を確立することが私に与えられた重要な使命であると思います。高齢化と生活習慣病の増加により、腎疾患患者数は増加の一途をたどっています。透析導入原疾患の約70%は糖尿病性腎症やIgA腎症などの慢性腎臓病(CKD)ですが、CKDは発症初期から適切な治療を開始すれば、腎不全に進行することは稀と考えられます。すべてのCKD患者さんが適切な診療を受けられるように、CKDの普及啓蒙活動や病診連携の強化による紹介・逆紹介の推進などの地域に根ざした社会活動を積極的に行い、福井県が日本一腎不全患者の少ない医療圏になるように全力を注ぎたいと思います。さらに、1)腎糸球体疾患の進展機序解明、2)ステロイド療法よりも副作用が少ない新規治療法開発、および3)蛋白尿よりも優れた新規バイオマーカー開発、を研究の3本柱とし、腎臓病学の発展にも寄与するとともに、福井から世界へ情報を発信したいと考えます。

腎臓病態内科学(臨床検査医学)研究室

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