State of the art
外科学の世界へようこそ
研究室紹介
本教室における基礎研究では最終的に臨床応用が可能となること、すなわち診断・治療が進歩することを目標としたトランスレーショナルリサーチを中心に行なっています。
研究のテーマとしては大きく2つにわかれており、(1)悪性腫瘍の中で罹患率・死亡率が上位にある大腸癌、胃癌を中心とする消化器癌に関する分子生物学的検討、(2)高齢者社会となり増加傾向にある糖尿病に対する膵島移植について検討、の2本の柱からなっています。消化器癌に関する分子生物学的研究では、発癌、浸潤、癌転移、癌抑制遺伝子に関わる遺伝子の異常をDNA/RNA、蛋白レベルで検討して学会・論文において報告しています。また膵島移植の研究では、膵Langerhans島の分離、保存、移植を行い、最近では工学部との共同研究において絹蛋白セリシンを用いた無血清培地での膵島培養を成功させています。いずれの研究も当科において積み上げてきた資料に基づき創意、工夫したものであり、多くの学会、雑誌において注目されています。
また臨床研究では消化器癌疾患を中心に抗癌剤使用の適応や感染症・手術に関する全国規模の臨床試験の参加、当科独自の臨床試験の企画、腹腔鏡を含む術式の検討を行ない、新しい治療への発展に貢献しています。