福井大学医学部

皮膚科学

診療内容紹介

午前中は外勤以外の教室員ほぼ全員が外来診療、午後1:30以降は外来診療の終わった教室員は病棟の処置などを行っています。火曜日と木曜日は手術日であり、担当の先生は手術を行っています。

専門外来として、毎週月曜日と水曜日の午前、木曜日午後(第2、4週)に皮膚外科・腫瘍外来、月曜日午後に接触皮膚炎外来、火曜日午前に膠原病外来、火曜日午後にアトピー外来、木曜日午後に水疱症・皮膚遺伝性疾患外来、木曜日午後(第2、4週)と金曜日午後にレーザー外来、木曜日午前と金曜日午前に乾癬外来を開いています。専門外来は今後もどんどん増やしていく予定です。

まず皮膚疾患全般を診ることが前提

入局する先生には、専門医は必ず取得してもらいたいと思います。このため、外来や病棟で皮膚疾患全般を診療できるようになることが前提になります。研修医の先生や若い医局員の先生には、指導医の外来診察を見学したり、生検や処置などの手技を実際に教えてもらいながら、皮膚科診療の基本を習得してもらいます。

興味のある分野のエキスパートになる

皮膚科といっても、疾患はさまざまです。皮膚疾患全般をある程度習得したら(専門医の取得前でも構いません)、自分の専門を持ち、その分野のサブスペシャリストになってもらいたいと思います。専門については、腫瘍、皮膚外科などの外科的な分野、膠原病のような内科的な分野、アトピー性皮膚炎・乾せん・真菌症・脱毛症・白斑・ざ瘡(にきび)などの皮膚だけの疾患のどれかなど、何でも構いません。自分で専門外来を作って、その疾患の患者さんを沢山集め、その疾患については誰よりも詳しくなることを目指しましょう。教室内に各疾患のサブスペシャリストがいれば、教室全体の診療レベルも大きくアップします。また、専門外来を設けることで、その疾患に関する臨床研究に発展させることができます。

大学病院ならではの診療

大学病院には、ありふれた皮膚疾患の重症例を診察する機会が少なくありません。他には、大学病院だからこそ診療が可能な皮膚悪性腫瘍、手術を必要とする疾患、膠原病などの全身性疾患の方が沢山集まってきます。皮膚腫瘍については飯野病棟医長が中心となって診療を行っており、皮膚外科と呼ばれる手術を行っております。腫瘍、皮膚外科が今でも教室の大きな柱ですが、もうひとつの大きな柱として、長谷川教授の専門である膠原病の診療を一層拡大していきます。さらに、近年、乾せんに対しての生物学的製剤による治療が、皮膚科領域のトピックです。当教室では、本治療の導入が難しい病院やクリニックとも連携して、生物学的製剤の導入を積極的に行っていきたいと考えています。生物学的製剤のことを英語でバイオロジクス(略してバイオ)と呼びますが、乾せんが通常の治療で治りにくい方にバイオによる抗体治療を行う完全予約制の専門外来を開設し、尾山准教授、知野助教が担当しています。更に最近はアトピー性皮膚炎もバイオ治療が拡大しており、尾山准教授らがアトピー外来を行なっています。また、井戸医局長がQスイッチルビーレーザーによる太田母斑や異所性蒙古斑などの青あざや、扁平母斑などの茶あざに対するレーザー治療の他、VビームIIという最新のレーザーによる血管腫や毛細血管拡張の治療を行っております。特にレーザー治療は幼児期が有効であり、全身麻酔での治療も可能です。他にどのような皮膚疾患でも、外来で検査や治療が難しい患者さんには入院加療を行っており、飯野病棟医長が中心となって安心で丁寧な治療を心がけています。

病理専門医との病理検討

特筆すべきことに、当院では、皮膚の組織診断の際に、病理専門医数名にも加わっていただき、一緒に診断を討論する機会を毎週設けております。これにより、臨床症状と病理組織所見を合わせて考察することが可能であり、患者さんの皮膚疾患の診断がより確実なものとなります。また、教育上も、皮膚病理に強い皮膚科医や学生さんを育てることが可能になっています。

学会発表・論文執筆指導

教室として業績少しずつ増えてきていますが、まだまだが十分とはいえない状況です。これを打開すべく、若手医師に学会発表、論文執筆の重要性を理解してもらうよう努力しています。そして、ベテランの先生がその指導にあたっています。この雰囲気が伝わり、今では学会発表の演題を選ぶ際には、我こそは・・と取り合い、殴り合い寸前・・になるほど熱が入っています。2018年に米国のオーランドで開催された世界研究皮膚科学会(5年に1回のみ開催)では教室員の研究成果がplenaryとoralに選ばれました。また、日本語だけでなく、英語の論文発表や研究論文も増加しており、着実に教室や個人の業績が伸びていくものと確信しています。

福井大学皮膚科がパワーアップ

本年度は、毎週火曜、水曜日に非常勤の尾山臨床教授が診療に加わってくれています。これまで、国内外で皮膚科の臨床や研究に沢山の実績を残されてきた先生で、研修医や学生に懇切丁寧に指導してくれます。彼の参加により、福井大学皮膚科の診療レベルや各自のやる気が急上昇しています。

皮膚科学研究室

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fder?u-fukui.ac.jp (?を@に訂正してお送りください)