福井大学医学部

染色体機能学

研究紹介

主要研究テーマ

染色体構造の恒常性とその破綻と悪性化の分子機構

染色体は、核内において特定な4次元構造を形成していることがわかってきました。私たちはモデル生物のアカパンカビを用いて、この染色体の高次構造の恒常性には、エピジェネティクス制御やセントロメア・テロメアなどの特定な染色体領域を介した制御が重要であることを見出しました。染色体の不安定化、異常なエピジェネティクス修飾、テロメアの破綻は連鎖し、癌をはじめ様々な病気を導くと考えられています。本領域では、これらがどのように連携することで染色体の4次元構造の恒常性を保ち、更に、その破綻と悪性化を分子レベルで解き明かすことを目指します。

半永久的休眠と環境ストレス耐性(半不死身化)の関係

アカパンカビ子嚢胞子は半不死身な休眠状態を維持していますが、生命がほぼ死滅する山火事のような熱を感知すると、鎮火後、速やかに休眠を解除し、発芽・増殖します。私たちはこれまでに大規模スクリーニングを実施し、この独特な生命現象に関わる遺伝子群を同定しました。そして、これらの遺伝子群の多くは、近縁種であるアスペルギルスなどの病原性と宿主の免疫に対する耐性に重要な役割を担うことを見出しました。本領域では、まず、このアカパンカビ子嚢胞子の半永久的休眠と驚異的な環境ストレス耐性を分子レベルで解き明かします。そして、近縁種の病原性と免疫耐性を対処する応用研究へ発展させることを目指します。

染色体機能学研究室

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