福井大学医学部

医療統計学

研究紹介

代数と幾何の両方の橋渡しを目指したい。具体的には幾何学の対象である図形を代数のことばで読み替え、その特徴を知ること、これは従来からよく知られた手法である。一方、代数的対象から幾何的な対象がどのように生み出されるか、そこのところには非常に関心がある。私が今まで関わってきた数学は、その点に集約されそうな気がしている。現時点では、有限群からできる「部分群複体」という幾何的対象(図形)に一番興味をもっています。これを何とか幾何(トポロジー)から捉えたいと思っています。

主要研究テーマ

有限群の部分群複体のホモトピー性質に関する研究

有限群の部分群複体という概念は1970年代にK.S.Brownが、Gの非自明なp-部分群複体に関するホモロジカルなシローの定理を発見したことに起因する。本研究では、有限群Gから定義される抽象複体(これをGの部分群複体とよぶ)に関するホモトピー性質(≒相似)を解明することを目的とする。最終目標は、ホモトピー性質を通して有限群を特徴付けることです。

有限群が作用する有限複体からできる幾何学的加群に関する研究

Gを有限群とする。特殊なG順序集合に附随した幾何学的加群であるBurnside加群についての構造を解明する。Burnside加群とはBurnside環の一般化概念であると捉えることができる。私はT.Petrieらによって解明されたBurnside環の合同式のBurnside加群版を構成した。次にBurnside加群の普遍化版を考えた。私の提唱した「普遍Burnside加群」はどのような群に対しても定義可能である。さらにLefschetz加群という概念を考え、Burnside加群とLefschetz加群は自然な同型があることが判明した。今後もこの種の加群の構造を解明したい。

医療統計学研究室

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